カラヤンが目指した音



ちょっと前に初めてレコーディングのMIXという作業をやりました。
今まで「チェック」しかしたことがなかったのですが、今回は「自分で」やってみたんです。
そしたらなんと難しいこと!

今回は3人のボーカルを録って、カラオケに混ぜてみたのですが、それだけで1日作業っす。
プロがやったら2時間で完パケまで持っていける作業量です。

プロってすごいっすねw
俺は1日。。。でも収穫は大きかったっすね。

まずね、録音するときから完成系をイメージしてマイキングした方がいいってことを痛感しました。
生で聞いていい感じの場所でマイクを立てていたのですが、これがMIX(混ぜる)となると雑音になっちゃう音がホントに多い。

超単純にいえば「声だけ」もらえた方が加工しやすいのですが、当然「空気」を通さないと声は聞こえません。
なので空気感が入って「声」のトラックなんですが、この空気感が加工する時に、思いもよらない動きをするんですよね〜。

この音域がキンキンするからカットしよう、としてみると思った通りにならない結果になったり、
もうちょっと音圧を上げようと加工してみたら、ロボットの声みたいになっちゃったり、と
こんなにも思い通りにならないことってある?!と歩き始めた我が子が訳もわからず泣いていた頃を思い出していました。

それからリバーブをかけたり色々と遊んでみたんですが、結局1日かかりましたわ。


で、録音において「良い音」というのは「思い通りに加工できるもの」な気がしてきました。
もちろん信念としては生で聴いて良い音が1番「好き」なんですが、レコーディングとなると「そうも言ってられない」
という感想です※現時点での感想ですので明日には変わる可能性が高いです

そもそも生演奏至上主義の俺からしてみたら、その場で出ている音が「真実」であって全てなのですが
録音という文化自体が、そこと同じ価値観でできていません。

いつでもどこでもベストな演奏を、を目指すのならば
「その場で良い音」よりも
「生だとこう聞こえるだろう」音をとった方が正解なような気もします。

もちろん時代が進んで、CDの音が全て、という文化があるのも賛成です。

「聴いた音が全てのCD」なのか
「生音を想像させる音のCD」なのかで答えが180度変わってきますので、
どの立ち位置で録音するかってことが重要になってきます。

これってのもは俺にとって新しい視点なので、引き続き揉んでいくとして。

気になってくるのはオーケストラのレコーディングを推し進めたカラヤンの正解はどこなのか、
知りたくなってきませんか?

あの人はオーケストラをレコードに収めることに夢中になってました。
もちろん商業としてレコードの有用性にいち早く気がついたビジネスマンでもあるのですが
あの人が、正解をどこにおいていたのか、めちゃくちゃ気になります。
そしてレコーディング方法も。

技術が当時まだ発展していなくて、そうだったのか、それとも色々試した上でそうだったのか。
ちょっとまだ時代背景まで辿れていませんが、例えば8チャンネルで同時録音できたのに
あえて2チャンネルのステレオで録音したのと、4チャンネルでしか同時録音できなくて4チャンネルで録音した
(技術をマックスに使って)のとだと、意味合いが変わってくるのってわかってもらえますか?
その辺りの情報を掘り下げてみたいっすね。


一つの参考までに、探ってみようと思います。
どの音を目的地にして作品を作っていたのか、知ることができれば一つの指針になりそうです。
新たな価値観の扉が開いて、ドキドキワクワクしている洋二郎でした。

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